世界史教室

大学受験生のための世界史問題解説

過去問センターワンフレーズ論述参考書疑問

-東京大学

東大世界史2013

第1問 大西洋からインド洋、太平洋にかけて広がる海を舞台にした交易活動は、17世紀に入り、より活発となり、それにともなって、さまざまな開発が地球上に広く展開されるようになった。それらの開発によって生み出された商品は、世界市場へと流れ込んで人々…

東大世界史2012

第1問 ヨーロッパ列強により植民地化されたアジア・アフリカの諸地域では、20世紀にはいると民族主義(国民主義)の運動が高まり、第一次世界大戦後、ついで第二次世界大戦後に、その多くが独立を達成する。しかしその後も旧宗主国(旧植民地本国)への経済的従…

東大世界史2011

第1問 歴史上、異なる文化間の接触や交流は、ときに軋轢を伴うこともあったが、文化や生活様式の多様化や変容に大きく貢献してきた。たとえば7世紀以降にアラブ・イスラーム文化圏が拡大するなかでも、新たな支配領域や周辺の他地域から異なる文化が受け入れ…

東大2010-予備校の答案

東大世界史・2010年各予備校の答案例とわたしの異見。最下段に合格者の解答。下線なしで。 (河合塾)出典 http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/10/t01.html 中世末にバルト海交易に進出したオランダは、近世にかけてエルベ川以東の穀物を西欧へ…

東大世界史2010

第1問 ヨーロッパ大陸のライン川・マース川のデルタ地帯をふくむ低地地方は、中世から現代まで歴史的に重要な役割をはたしてきた。この地方では早くから都市と産業が発達し、内陸と海域をむすぶ交易が展開した。このうち16世紀末に連邦として成立したオラン…

東大世界史2009

第1問 次の文章は日本国憲法第二十条である。 第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。 2、 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制さ…

東大世界史2008

第1問 1871年から73年にかけて、岩倉具視を特命全権大使とする日本政府の使節団は、合衆国とヨーロッパ諸国を歴訪し、アジアの海港都市に寄航しながら帰国した。その記録『米欧回覧実記』のうち、イギリスにあてられた巻は、「この連邦王国の……形勢、位置、…

東大世界史2007

*[東京大学]*[過去問] 第1問 古来、世界の大多数の地域で、農業は人間の生命維持のために基礎食糧を提供してきた。それゆえ、農業生産の変動は、人口の増減と密接に連動した。耕地の拡大、農法の改良、新作物の伝播などは、人口成長の前提をなすと同時に、や…

東大世界史2006

第1問 近代以降のヨーロッパでは主権国家が誕生し,民主主義が成長した反面,各地で戦争が多発するという一見矛盾した傾向が見られた。それは,国内社会の民主化が国民意識の高揚をもたらし,対外戦争を支える国内的基盤を強化したためであった。他方,国際…

東大世界史2005

第1問 人類の歴史において、戦争は多くの苦悩と惨禍をもたらすと同時に、それを乗り越えて平和と解放を希求するさまざまな努力を生みだす契機となった。 第二次世界大戦は1945年に終結したが、それ以前から連合国側ではさまざまな戦後構想が練られており、こ…

東大世界史2004

第1問 1985年のプラザ合意後、金融の国際化が著しく進んでいる。1997年のアジア金融危機が示しているように、現在では一国の経済は世界経済の変動と直結している。世界経済の一体化は16,17世紀に大量の銀が世界市場に供給されたことに始まる。19世紀には植民…

東大世界史2003

*[東京大学]*[過去問] 第1問 私たちは、情報革命の時代に生きており、世界の一体化は、ますます急速に進行している。人や物がひんぱんに往きかうだけでなく、情報はほとんど瞬時に全世界へ伝えられる。この背後には、運輸・通信技術の飛躍的な進歩があると言…

東大世界史2002

第1問 世界の都市を旅すると、東南アジアに限らず、オセアニアや南北アメリカ、ヨーロッパなど、至る所にチャイナ・タウンがあることに驚かされる。その起源を探ると、東南アジアの場合には、すでに宋から明の時代に、各地に中国出身者の集住する港が形成さ…

東大世界史2001

第1問 輝かしい古代文明を建設したエジプトは、その後も、連綿として5000年の歴史を営んできた。その歴史は、豊かな国土を舞台とするものであるが、とりわけ近隣や遠方から到来して深い刻印を残した政治勢力と、これに対するエジプト側の主体的な対応との関…

東大世界史2000

第1問 大航海時代以降、アジアに関する詳しい情報がヨーロッパにもたらされると、特に18世紀フランスの知識人たちの間では、東方の大国である中国に対する関心が高まった。以下に示すように、中国の思想や社会制度に対する彼らの評価は、称賛もあり批判もあ…

東大世界史1999

第1問 ある地域の歴史をたどると、そこに世界史の大きな流れが影を落としていることがある。イベリア半島の場合もその例外ではない。この地域には古来さまざまな民族が訪れ、多様な文化の足跡を残した。とりわけヨーロッパやアフリカの諸勢力はこの地域にき…

東大世界史1998

第1問 アメリカ合衆国とラテンアメリカ諸国は、ともにヨーロッパ諸国の植民地として出発した。しかし、独立後は、イギリスの産業革命などの影響の下で対照的な道を歩むことになった。たとえば、アメリカ合衆国の場合には、急速な工業化を実現していったのに…

東大世界史1997

第1問 20世紀の民族運動の展開を考えるさい、第一次世界大戦の前後の時期は大きな意味をもっている。この時期にはユーラシアの東西で旧来の帝国が崩壊し、その結果一部の地域では独立国家も生まれたが、未解決の問題も多く残った。それは、現代世界の民族と…

東大世界史1996

第1問 18世紀後半にイギリスで始まった産業革命は、世界全体に工業社会の到来をもたらし、現代世界の形成に大きな役割を果たした。そのさい、人々はイギリスの覇権を「パクス=ローマーナ」(ローマの平和)になぞらえて「パクス=ブリタニカ」と呼んだ。しか…

東大世界史1995

第1問 1453年、オスマン帝国のメフメト2世は、コンスタンティノープルを陥れてビザンツ帝国を滅ぼし、その結果、地中海世界は東西二つの文明の対立するところとなった。西アジア世界と東ヨーロッパおよび西ヨーロッパ世界は、ローマ帝国の成立以後、地中海を…

東大世界史1994

第1問 13世紀は「モンゴルの世紀」と呼ばれる。チンギス・ハーンが、モンゴル高原を統一してモンゴル帝国を築くと、続いて各ハーンが度重なる征服戦争をおこなった。彼らは中国を支配したばかりてなく、朝鮮半島、東南アジアまで勢力を伸ばし、さらに中東イ…

東大世界史1993

第1問 現在、世界は冷戦の終わりを迎えている。第二次世界大戦後、長期にわたって世界史の流れに大きな影響を与えた冷戦は、世界の各地域で異なった現われかたをした。冷戦下の深刻な問題の一つが分裂国家の出現であったが、これまでにヴェトナムとドイツの…

東大世界史1992

*[東京大学]*[過去問] 第1問 (○の中に数字を入れた記号はOSにより表示できないので、〔 〕の中に数字を入れて示します、1字分のつもりです) 今日の地球は、ほとんどが独立した主権をもつ国家によっておおわれている。このように国際社会が主権国家によって…

東大世界史1991

第1問 西アジアのイスラム世界では、9世紀半ばを過ぎるとカリフの権威はしだいに失われ、官僚と軍隊にたいして現金俸給を支払う体制を維持することがむずかしくなった。西ヨーロッパではフランク王国の分裂後、諸侯が割拠し、南アジアでもハルシャ・ヴァルダ…

東大世界史1990

第1問 第1次世界大戦は総力戦であり、植民地の人々も動員された結果、列強の国内はもとより、その支配地域も大きな変動に見舞われた。そのため、第1次世界大戦期から1920年代半ばにいたる約10年間には、世界各地で様々な性格をもつ大衆的な政治運動が高まる…

東大世界史1989

第1問 近代初頭以降、西ヨーロッパ諸国と中国の間には、政治・経済・文化の諸分野でさまざまな交渉があった。これについて、以下の設問に答えよ。解答は解答用紙の(イ)の欄を用い、冒頭に(A)、(B)の符号を付して、それぞれ指定の行数以内で記入せよ…

東大世界史1988

第1問 欧米において近代市民社会が形成されるにあたり、17世紀から19世紀初頭にかけて、さまざまな変革が生じたが、それらの変革の様相は地域によってそれぞれ異なっていた。そこで、イギリス、アメリカ、フランス、プロイセン(プロシア)の四つについて、…

東大世界史1987

第1問 朝鮮戦争(1950~53年)とヴェトナム戦争(1960-75年)について、下記の設問(A)~(C)に答えよ。解答は解答用紙の(イ)の欄を用い、冒頭に(A)~(C)の符号を付して記せ。 設問 (A)以下は、朝鮮戦争をめぐる経過を年代順に配列したもので…

東大世界史1986

第1問 キリスト教文化圏としてのヨーロッパは、中世初期から現代にいたるまで、イスラム世界と境を接し、政治的にも文化的にも様々の影響をこうむってきた。この観点から、19世紀の前半にいたる両者の交渉や勢力関係の歴史を、600字以内で記述せよ。なお、解…

東大世界史1985

第1問 19世紀末から20世紀初頭にかけて、いくつかの戦争が起り、また、世界各地でさまざまな反帝国主義運動が展開された。下記の諸都市と関連することがらを思い浮かべながら、1894年から1910年にいたる時期の反帝国主義運動について、20行(600字)以内で述…