世界史教室

大学受験生のための世界史問題解説

過去問センターワンフレーズ論述参考書疑問

過去問

一橋世界史1983

【1】西ヨーロッパにおける中世都市の市民は「自由」を享受していたといわれている。例えば、皇帝フリードリヒ(フレデリック)2世は、都市リューベックに与えた特許状(1226年)のなかで、「都市リューベックは常に自由であるべきである」と記しており、ま…

一橋世界史1982

【1】次の文章はカール・シュミットの『陸と海と』の一節である。これを読んで下記の問いに答えよ。〔問〕 中世中期のヨーロッパにおいても著者のいう空間像の変化・空間革命に対応する現象があった。それはどのようなきっかけによるものであったか。またそ…

一橋世界史1981

【1】 今日、ひろく世界の諸国における政治生活の基礎をなしている代議制は、その歴史的成立に即して見ると、中世ヨーロッパ諸国に特有の身分制議会にさかのぼる。そうした意味における中世の身分制議会が成立する事情を、西ヨーロッパのある一国を例にとっ…

一橋世界史1980

【1】次の文章を読んで下記の問いに答えよ。(合計300字以内) アメリカ大陸では,14,5世紀にアステカ(アズテック),インカという二つの帝国がつくられ(ア)高度な文明を発達させたが,16世紀はじめにスペインによって征服された。スペインがこの征服に…

一橋世界史1979

【1】次の文章を読んで,下記(ア)(イ)の問いに答えよ((ア)(イ)とも200字以内)。 800年にフランク国王カール(チャールズ,シャルマーニュ)がローマ教皇レオ3世によって,ローマ皇帝として戴冠されたことは,キリスト教世界の西半部においてう皇帝…

一橋世界史1978

【1】大づかみにいって、新大陸発見以前のスペインの歴史は、他の地中海諸地域との密接な関連の中で展開した。これに関連して、下記(ア)~(ウ)の問いに答えよ。 (ア) 紀元前205年ローマははじめてスペインの一部を自らの属州とし、その支配に編入した。それ…

一橋世界史メール

Aさんのメール 一橋大’99年度の第一問目の解答ですが、(1)アングロ=サクソン七王国はエグバートに統一されたあとも七王国と称したのでしょうか。それともカヌートに服属する頃にはすでに再び七つに分裂していたということでしょうか。(2)「ロロの建…

一橋世界史対策

●一橋大学の問題分析と対策 <1>問題分析・論述の構造から (1)易しい問題が多い 一橋大学は難しいことで名高いのではありませんか? とすぐ反論がきそうです。 いえ、易しいです。資料(史料)を出して、まわりくどく問うので難しく見えるだけなのです。 …

東大世界史1971

第1問 解答は、〔A〕、〔B〕、〔C〕、〔D〕、〔E〕の順序に書け。 〔A〕宋代の儒学(儒教)の特色を、唐代までのそれと比較して、100字程度で記せ。 〔B〕元王朝の政治権力が、中国の伝統的文化、特に、儒学(儒教)に対してとった態度を、清王朝の政治権力…

再現答案・東大(2013)

東大合格者に答案を再現してもらいました。 東大・第1問 大西洋からインド洋、太平洋にかけて広がる海を舞台にした交易活動は、17世紀に入り、より活発となり、それにともなって、さまざまな開発が地球上に広く展開されるようになった。それらの開発によって…

東大世界史過去問一覧

年度 (数字は論述の字数、問題形式) ●1970 1 中国の官吏任用制度(300)、イスラム文明の拡大(空欄) 2 古代〜近代の雑問、世界恐慌、フランス革命 ●1971 1 中国・儒学史 2 キリスト教史(古代〜現代、空欄・下線設問) 3 第一次世界大戦から第二次世界大…

東大世界史2013

第1問 大西洋からインド洋、太平洋にかけて広がる海を舞台にした交易活動は、17世紀に入り、より活発となり、それにともなって、さまざまな開発が地球上に広く展開されるようになった。それらの開発によって生み出された商品は、世界市場へと流れ込んで人々…

東大世界史2012

第1問 ヨーロッパ列強により植民地化されたアジア・アフリカの諸地域では、20世紀にはいると民族主義(国民主義)の運動が高まり、第一次世界大戦後、ついで第二次世界大戦後に、その多くが独立を達成する。しかしその後も旧宗主国(旧植民地本国)への経済的従…

東大世界史2011

第1問 歴史上、異なる文化間の接触や交流は、ときに軋轢を伴うこともあったが、文化や生活様式の多様化や変容に大きく貢献してきた。たとえば7世紀以降にアラブ・イスラーム文化圏が拡大するなかでも、新たな支配領域や周辺の他地域から異なる文化が受け入れ…

東大2010-予備校の答案

東大世界史・2010年各予備校の答案例とわたしの異見。最下段に合格者の解答。下線なしで。 (河合塾)出典 http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/10/t01.html 中世末にバルト海交易に進出したオランダは、近世にかけてエルベ川以東の穀物を西欧へ…

東大世界史2010

第1問 ヨーロッパ大陸のライン川・マース川のデルタ地帯をふくむ低地地方は、中世から現代まで歴史的に重要な役割をはたしてきた。この地方では早くから都市と産業が発達し、内陸と海域をむすぶ交易が展開した。このうち16世紀末に連邦として成立したオラン…

東大世界史2009

第1問 次の文章は日本国憲法第二十条である。 第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。 2、 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制さ…

東大世界史2008

第1問 1871年から73年にかけて、岩倉具視を特命全権大使とする日本政府の使節団は、合衆国とヨーロッパ諸国を歴訪し、アジアの海港都市に寄航しながら帰国した。その記録『米欧回覧実記』のうち、イギリスにあてられた巻は、「この連邦王国の……形勢、位置、…

東大世界史2007

*[東京大学]*[過去問] 第1問 古来、世界の大多数の地域で、農業は人間の生命維持のために基礎食糧を提供してきた。それゆえ、農業生産の変動は、人口の増減と密接に連動した。耕地の拡大、農法の改良、新作物の伝播などは、人口成長の前提をなすと同時に、や…

東大世界史2006

第1問 近代以降のヨーロッパでは主権国家が誕生し,民主主義が成長した反面,各地で戦争が多発するという一見矛盾した傾向が見られた。それは,国内社会の民主化が国民意識の高揚をもたらし,対外戦争を支える国内的基盤を強化したためであった。他方,国際…

東大世界史2005

第1問 人類の歴史において、戦争は多くの苦悩と惨禍をもたらすと同時に、それを乗り越えて平和と解放を希求するさまざまな努力を生みだす契機となった。 第二次世界大戦は1945年に終結したが、それ以前から連合国側ではさまざまな戦後構想が練られており、こ…

東大世界史2004

第1問 1985年のプラザ合意後、金融の国際化が著しく進んでいる。1997年のアジア金融危機が示しているように、現在では一国の経済は世界経済の変動と直結している。世界経済の一体化は16,17世紀に大量の銀が世界市場に供給されたことに始まる。19世紀には植民…

東大世界史2003

*[東京大学]*[過去問] 第1問 私たちは、情報革命の時代に生きており、世界の一体化は、ますます急速に進行している。人や物がひんぱんに往きかうだけでなく、情報はほとんど瞬時に全世界へ伝えられる。この背後には、運輸・通信技術の飛躍的な進歩があると言…

東大世界史2002

第1問 世界の都市を旅すると、東南アジアに限らず、オセアニアや南北アメリカ、ヨーロッパなど、至る所にチャイナ・タウンがあることに驚かされる。その起源を探ると、東南アジアの場合には、すでに宋から明の時代に、各地に中国出身者の集住する港が形成さ…

東大世界史2001

第1問 輝かしい古代文明を建設したエジプトは、その後も、連綿として5000年の歴史を営んできた。その歴史は、豊かな国土を舞台とするものであるが、とりわけ近隣や遠方から到来して深い刻印を残した政治勢力と、これに対するエジプト側の主体的な対応との関…

東大世界史2000

第1問 大航海時代以降、アジアに関する詳しい情報がヨーロッパにもたらされると、特に18世紀フランスの知識人たちの間では、東方の大国である中国に対する関心が高まった。以下に示すように、中国の思想や社会制度に対する彼らの評価は、称賛もあり批判もあ…

東大世界史1999

第1問 ある地域の歴史をたどると、そこに世界史の大きな流れが影を落としていることがある。イベリア半島の場合もその例外ではない。この地域には古来さまざまな民族が訪れ、多様な文化の足跡を残した。とりわけヨーロッパやアフリカの諸勢力はこの地域にき…

東大世界史1998

第1問 アメリカ合衆国とラテンアメリカ諸国は、ともにヨーロッパ諸国の植民地として出発した。しかし、独立後は、イギリスの産業革命などの影響の下で対照的な道を歩むことになった。たとえば、アメリカ合衆国の場合には、急速な工業化を実現していったのに…

東大世界史1997

第1問 20世紀の民族運動の展開を考えるさい、第一次世界大戦の前後の時期は大きな意味をもっている。この時期にはユーラシアの東西で旧来の帝国が崩壊し、その結果一部の地域では独立国家も生まれたが、未解決の問題も多く残った。それは、現代世界の民族と…

東大世界史1996

第1問 18世紀後半にイギリスで始まった産業革命は、世界全体に工業社会の到来をもたらし、現代世界の形成に大きな役割を果たした。そのさい、人々はイギリスの覇権を「パクス=ローマーナ」(ローマの平和)になぞらえて「パクス=ブリタニカ」と呼んだ。しか…